Chapter 1 An Oath
KCPD 囚人報告書
逮捕記録:
報告例#4576-564-G7
記述:<記録から抹消─少年犯罪>
逮捕記録:
報告例#8467-835-F4
記述:<記録から抹消─少年犯罪>
逮捕記録:
報告例#9264-836-X3
記述:<記録から抹消─少年犯罪>
逮捕記録:
報告例#7203-194-D3
記述:<記録から抹消─少年犯罪>
逮捕記録:
報告例#7394-247-H3
記述:不法侵入、器物損壊罪
逮捕記録:
報告例#8354-102-K4
記述:重窃盗罪、盗品譲受罪
逮捕記録:
報告例#9203-710-F4
記述:浮浪、未成年飲酒
逮捕記録:
報告例#7104-846-J7
記述:万引き、逮捕に抵抗
逮捕記録:
報告例#7103-825-D3
記述:侵入窃盗
逮捕記録:
報告例#8230-835-G5
記述:販売目的の薬物所持
逮捕記録:
報告例#8493-492-W2
記述:凶器使用の強盗、暴行、重窃盗罪、
警察官から逃走、公務執行妨害
音声記録1:採用
エージェント:
キッドマン・ジュリ
驚くような経歴ね
キッドマン:
わたしも驚いたわ
アンタが字を読めるなんてね
エージェント:
そんなにピリピリしないで
キッドマン:
ここどこなのよ
わたしに何の用
エージェント:
あなたは逮捕され勾留されている
そこまではわかってるでしょう
キッドマン:
質問に答えて
ここは取調室じゃないし、パクられた後で
ソファに座らせるなんて、ありえないでしょ
エージェント:
住所不定 14歳から独り、家出かしら
いままで無事でいられたのは驚きね
でも、それほどの生存能力があれば
別の選択もあったはずだけど
キッドマン:
生き延びるためにやっただけよ
捕まって悔やんでるとでも思った
食い物も出るし、檻のなかも悪くないわ
エージェント:
今日からそれを変えられるとしたら
あなたは頭がいい、失う物も悲しむ人もいない
そういう人材になら特別なチャンスを与えられる
キッドマン:
何の話
それって逃してくれるとか
エージェント:
そうね
それに近い話になるわ
キッドマン:
続きを聞かせて
Chapter 2 Crossing Paths
音声記録13:気質
エージェント:
ミズ・キッドマン
あなたの家族について教えてもらえる
キッドマン:
パス、次の質問を
エージェント:
いいえ、この話はずいぶん後回しにしてきた
あなたを理解するために重要なことなの
キッドマン:
両親はわたしに何の関心も持たなかった
教会のことばかりで、あれはカルトね
まるで罰みたいだった
何をしようと逃れられない
エージェント:
虐待された
キッドマン:
無視されただけよ
わたしがいなくなっても気にもしなかった
探しもせずに、見限っただけ
エージェント:
あなたも戻ろうとは思わなかった
キッドマン:
何年か後にね
でも消えてた
みんな、いなくなってたの
町ごと引っ越しでもしたみたいに
何か感じるかと思ったけど
そんなこともなかった
エージェント:
それは、いまでも
キッドマン:
ええ、変わらないわ
正直クタバレと思ってる
ただ、奇妙だとは思う
町の中心にあった、顔を押さえた像
子供の頃はそれを見て悲しい気持ちに
なったけど、いまならあそこの哀れな
暮らしを知って泣いていたのかもって思う
酷いところだったわ