Chapter 1 An Emergency Call
地下水路の古い手記
地下水路の先にある 閉じられたゲート脇の
梯子を登れ
旧病棟を抜ければ 外に出られるエレベータがある
お前なら逃げられる さあ 自由を手に入れるんだ
──R

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※原文のままです。
Chapter 1 An Emergency Call
地下水路の古い手記
地下水路の先にある 閉じられたゲート脇の
梯子を登れ
旧病棟を抜ければ 外に出られるエレベータがある
お前なら逃げられる さあ 自由を手に入れるんだ
──R
ボイラー室の手記
1300
STEMシステムの稼働実験開始
1315
実験は成功
脳波の同調を確認
被験者の損失も最小限
実験継続
エージェントが 取得データを回収
1330
異変発生
被験者側ではなく
記録役のスタッフが 体調不良を訴え
直後 原因不明の昏睡状態に陥る
医師の判断で STEMシステムを遮断
1345
スタッフが次々に体調不良を訴え昏倒
動けるものは院外への脱出を図るが
なぜか外には出られず
STEMシステムは 稼働停止させたはずだが
被験者の脳波は ホストとの同調を続けている
1400
彼が
あの男が 現れた
Chapter 2 Remnants
湖畔集落の手記
なぜ湖に 灯台があるんだ
いつから あの場所にあったのか
何も思い出せない
回る光が
わたしを照らし
わたしの心を通り過ぎる…
毎回 何かが奪われてゆく気がするが
何が奪われたのか もう思い出せない
Chapter 4 The Patient
村内民家の手記
ノーマンが食われた
助けを呼ぶ声はすぐに聞こえなくなった
毎晩 誰かの悲鳴が聞こえてくる
きっと今度は俺の番だ
隠れないと
Chapter 5 Inner Recesses
地下施設の手記
彼は 嘘をついた
血を分けた実の息子に
ふざけやがって
“より良い場所に行った”?
あの偽善者
聖人ぶったグズが!
ぼくは知ってるんだ 真実を
あいつの本性は あいつ自身より知ってる
あいつは ぼくを罰したいだけだ
ぼくらの仲が良過ぎるって ずっと嫌がってた
だから この機会を利用できると思ってる
誰が騙されるもんか
……ラウラは 死んでなんていない!
Chapter 6 Losing Grip on Ourselves
墓地前 民家の手記
ウォルトへ
ドナを取り戻しに行く
オオカミの穴に入る方法は わかった
彼女を 生贄になどさせない
ついて来るんじゃないぞ
ここにいて 彼女を守ってくれ
彼女を連れて帰る
ダニエル
墓地地下実験室の手記 1
死にかけていた双子の孤児が
生き延びられたのは きっと神のご加護だ
司祭の“洗礼”を受け
与えられた薬を飲ませただけで
兄のノインも 弟ツェーンも たちまち回復し…
異常な速度で 成長し始めた
双子とはいえ なぜかノインもツェーンも
まったく同じ数値で 成長を続けている
薬剤投与後12時間経過
N:122.4cm 28.2kg
Z:122.4cm 28.2kg
※体温上昇 膝と腰の痛みを訴える
薬剤投与後24時間経過
N:125.8cm 29.4kg
Z:125.8cm 29.4kg
※バイタルサインは安定 短い睡眠を繰り返す
薬剤投与後36時間経過
N:138.9cm 34.0kg
Z:138.9cm 34.0kg
※半覚醒状態 存在しない相手と話すような言動
薬剤投与後48時間経過
N:145.7cm 46.9kg
Z:145.7cm 46.9kg
※興奮状態 鎮静剤を──
墓地地下実験室の手記 2
住人が“祭壇”と呼ぶ 地上の石棺には
毎月必ず “供物”が運ばれてくる
2体 4体 3体 5体 4体 7体 6体…
教会の番犬は 変わってしまった
あの双子のように 異常な成長を始めた
今日だけで6体を食い尽くし
追加を要求して吠える
極度の興奮状態で 鎖や檻が歪み始めた
あの犬は わたしから視線を離さない
“供物”の一部だとでも 思っているのか…
Chapter 7 The Keeper
教会地下の手記
たすけて
鉄のぶつかる音 また あいつが来る
どこまで逃げても ずっと 追いかけてくる
たすけて かみさま たすけて たすけて
たすけて たすけて たすけて たすけて
たすけて たすけて
たすけて
Chapter 8 A Planted Seed Will Grow
地下洞窟の手記
深入りしすぎた やはり罠だった
何度もソフィアに忠告されたのに
あと一歩で 真実を突き止められたはずだ
確かに 手応えはあったんだ
あと もう少しだったのに!
ドアの隙間から 風が漏れてくる
外に つながっている証拠だ
鍵になるプレートは 見つけた
裏か表か 確率は1/2
もっとも簡単な選択なのに
決断できず 行ったり来たりを繰り返している
ソフィア もし外に出たら 君を抱きしめる
君が正しかったと言って ずっと離さないよ
研究施設の手記
被験者番号18 接続・実験開始
2分49秒 脳波異常発生
2分58秒 心肺停止 蘇生せず
被験者番号19 接続・実験開始
1分24秒 脳波異常発生
1分48秒 心肺停止 蘇生せず
被験者番号20 接続・実験開始
1分43秒 脳波異常発生
1分52秒 心肺停止 蘇生せず
被験者番号21 接続・実験開始
2分09秒 脳波異常発生
2分14秒 心肺停止 蘇生せず
被験者番号22 接続・実験開始
1分02秒 脳波異常発生
1分32秒 心肺停止 蘇生せず
被験者番号23 接続・実験開始
3分31秒 脳波異常発生
心拍数・呼吸数・血圧・体温上昇
4分24秒 意識回復
4分37秒 バイタル正常値に回復
……見つけた!
Chapter 9 The Cruelest Intentions
洋館食堂の手記
新しい世界に 入る方法を見つけた
何もかも そこに
ずっと目の前にあった
なぜ 今まで気付けなかったのか
愕然とし 自分に怒りを覚える
人の精神を破壊し 消し去り
思い通りにする方法は明白だ
今 やるべきことは見えている
そうする以外にないと感じている
目指していたものも 失ったものも
すべて取り戻せる
そのために必要なものは
……ヒメネス
あの男にも やっと利用価値が出てきた
洋館ルヴィク私室の手記
洋館の奥に立つ 彼女を見た
月光を浴びた いつもの長い黒髪
白磁を思わせる肌に 黒い水面のような瞳
彼女の好きな 夕日に似た真紅のドレスが
薄れゆく光のなかで 血糊のように光る
ラウラ
やっぱり 死んでなんかいなかったんだ
洋館音楽室の手記
無残に切り裂かれた ふたつの世界
上には みじめな死を嗤う 顔のない傍観者たち
下には 全てを奪われる 哀れな犠牲者たち
Chapter 10 The Craftsman's Tools
洋館地下の手記
子供たちが奪われてしまった
それが運命だというの? 彼が何をしたの?
私の素晴らしい息子が
あの火事が すべてを 奪い去った
子供たちは変わってしまった
彼らは無事だと言っていたエルネストが
いまは 彼らが逝ってしまったと言う
そんなことが起きるわけがない
母親には わかる
愛する息子の声が まだ聞こえる 彼の笑い声
いつも地下から聞こえてくる
ありえない
母親には 子どもが必要なのに!
Chapter 15 An Evil Within
地下水路の新しい手記
自由を手に入れた夢でも 見ているのか?
お前は どこにも行けないまま 屍になって
ずっと ここに転がっていたというのに
──R